自家用車に寝泊まりして生活をする避難者は、長時間座ったままであることが多く、静脈血栓塞栓症のリスクが高まるといわれています。災害時に起こる疾患について、理解しておきましょう。
【1】×:不適切
生活不活発病は、廃用症候群ともいいます。安静状態を継続することで、身体能力の大幅な低下・精神状態に影響をおよぼす症状のことです。一度生じると、回復まで時間を要し、寝たきり状態のリスクが高まります。主に高齢者におおく、災害に伴っては、活動量が低下することによって生じます。長期的な運動不足に関連しますが、車中生活を始めたばかりでは直接的な影響は少ないと思われます。よって、この選択肢は誤りとなります。
【2】〇:適切
自家用車で長時間過ごすことで、下肢の血流が滞り、血栓が発生しやすくなります。静脈血栓塞栓症は、エコノミークラス症候群ともいい、長時間座ったままの避難生活でリスクが高まります。最悪の場合、死に至ることもありますので、注意を要します。
【3】×:不適切
圧挫症候群(クラッシュ症候群)とは、長時間身体の一部が圧迫され続けたとき、筋肉が破壊され、カリウムやミオグロビンが血液を通じて全身に影響を及ぼす疾患です。地震等の災害時、がれき等に圧迫された場合に起こります。車中生活によって生じることはありませんので、この選択肢は誤りとなります。
【4】×:不適切
心的外傷後ストレス障害(PTSD)とは、心理的に大きなストレスを受け、発災から1か月経過しても、恐怖を感じた場面や悲惨な状況がフラッシュバックすることが継続した状態のことです。不安感や不眠、フラッシュバック等の症状が出現します。車中生活によって生じるものではありませんので、この選択肢は誤りとなります。